Antonio Citterio

アントニオ・チッテリオ 

 

 

 

 家具職人の父親を持ち、物心がつく頃には、すでにデザイナーになることを決めていたというチッテリオは、13歳からデザインを学び始めます。1972年、ミラノ工科大学建築学部卒業。同年、スタジオを開設し、デザイナー兼コンサルタントとしてインダストリアルデザインに携わります。1981年から、建築、インテリアデザインの事業をスタートさせます。

 

 Ansorg、Arclinea、Axor-Hansgrohe、B&B Iralia、Flexform、Flos、Fusital、Guzzini、Iittala、Kartell、Maxalto、Vitraなど数多くのクライアントをもち、多くの優れたデザイン作品を発表し続けています。カルテルから発表された、「Mobil system」と「Battista」は、MOMAのパーマネントコレクションにもなっています。また、1987年と1995年の2度、コンパッソ・ドーロ賞受賞の栄誉に輝きます。

 

 1987年、Terry Dwanをパートナーに迎え、Studio Citterio Dwanを設立します。そして、1999年、Patricia Vielとともに、Antonio Citterio & Partnersを設立します。建築デザインから工業デザイン、グラフィックデザインを手掛け、集合住宅や貿易センター、工業用地、公共建築の再生、事務所やショールーム、ホテルなど大型施設の設計を行います。主なプロジェクトとして、ヴィトラのショールームとオフィス、ドイツの商業銀行支店、ミラノの地下鉄1ライン、ローマの地下鉄Aラインの再構築などがあります。

 

 チッテリオは建築の勉強をするために世界中を旅して回り、ル・コルビュジェや安藤忠雄などの作品を見てきたが、プロダクトのデザインをする際、重視するのは、空間との関係だと言います。空間に対して、全体的なビジョンを持ち、そのモノ自体が持つ「必要性」と、それを使う人間の「願望」を一致させ、人々の生活の質を向上させる役を担いたいのだと言います。

Arne sofa system for B&B

座る位置によって、その深部が異なるアーチ型のソファ。また、アームレスとは2つの異なるタイプがそれぞれ付いており、ひとつはカーブしたもので、もうひとつは、高く、筒状になっているものです。これによって、エンド部分の構成を容易に創り出すことができ、これは、この手のソファにおいては、革新的ともいえるアイディアです。

 

 

Mart for B&B(左)

重厚なアームチェア。回転ベースはアルミニウム。建築家ならではの設計は、座る人に快適さと安心感を与える、すばらしい座り心地を実現しています。

 

Spoon Chair for Fratelli(右)

Toan Nguyenとの共同デザイン。以前に発表されたSpoon Stoolのチェア版。愛嬌のあるカーブが特徴的です。

 

Flip for Kartell

Toan Nguyenとの共同デザインによるキャスター付きサイドテーブル。繊細なシルエットが美しいデザインです。