Tom Dixon

トム・ディクソン 

 イギリス人の父とフランス/ラトビアのハーフの母を持ち、チュニジアで生まれたトム・ディクソンは、4歳でイングランドに移り、学生時代をロンドンで過ごします。チェルシー・アート・スクールに入学するが、在学中にバイク事故に遭い、わずか6ヶ月で退学します。その後、ベースプレーヤーとして音楽活動をスタートするが、またもやバイク事故により断念します。独学でプラスチック・バンパー技術を学び、それは彼のデザインに影響を与える事になります。

 

 トム・ディクソンのワークショップでの最初の作品は、リサイクルメタルや産業廃棄物から作られた革新的なものが多い。スクラップメタルを使って、造ったり、壊したり、適合させたり、リメイクしたり…という「作業」は、気の短い彼には、とても合っていたといいます。こういった経験が、工業的な事へと彼を目覚めさせていきます。さまざまなエキシビジョンを行い。1980年代になると、それがカッペリーニの目に留まります。そしてトム・ディクソンの名を世界に知らしめることになる「S chair」を同社より発表します。現在はMOMAのパーマネントコレクションになっています。

 

 1994年、Euro Loungeを設立します。数々のプラスティック作品を生み出し、1997年には、「The Jack light」で、ミレニアム・マーク賞を受賞します。1999年、Habitatの英国デザインヘッドに就任、2001年にはクリエイティブディレクターとして、財政再建に多大な貢献をします。そのデザインの革新と功績を認められ、2000年には、大英勲章(OBA)を受賞しています。

 

 2001年に自身のデザイン会社を設立してからは、ミラノサローネをはじめとする主要展示会、ロンドン・デザイン・ミュージアムなどの有名会場で、その作品を披露し、新作が発表されるたび、世界中から大きな話題を呼んでいます。

 

 

Tall chair

ハイバックレストの、ユニークな表情のチェアです。2005年のミラノサローネにて発表され、各メディアから多くの注目を集めた作品のひとつです。

 

 

 

Jack Light(左)

スツールにもなるフロアーランプです。ライトを、ライトとしての機能だけでなく、プラスの機能をもたせるという、トム・ディクソンらしい作品になっています。

 

Fat Spot(右)

集中的に、ビームのような光を放つフロアライトです。また、プリズムのようなポリカーボネートのシェードが特徴的です。