Wieki Somers

ウィエキ・ソマーズ 

 

 

 

 2000年、The Design Academy Eindhovenを卒業後、ロッテルダムを拠点に活動をスタート、卒業後すぐに仕事を始めたウィエキ・ソマーズは、Droog Design、Chi ha pauraなどでデザインを手掛け、エキシビジョンもいくつか行っています。2001年、「Muffins」プロジェクトが評価され、Rotterdam Design Prize、Nieuwegein Young Designers Awardにノミネートされます。

 

 ウィエキ・ソマーズの作品の主な特徴は、機能性と素材、そしてコンセプトが、微妙かつ繊細的に交錯していることです。マテリアルにおいては、その最も重要な特性と可能性を繰り返し探し求め、ガラス、金属、磁器、布地や合成繊維などを作品に使っており、日常生活で使用したときに、それらの素材が、水や空気、火などの日常的なエレメントとともにすばらしい美しさを発揮します。

 

 彼女が最も大切にしていることは、使う人にかわいがってもらえる製品を作る事だと言っています。それゆえ、彼女の作品には、作品のもつ深い概念だけではなく、技巧テクニックやフォルムのディテールにも強いこだわりが見られます。ウィエキ・ソマーズ自身が、オランダ固有の物語からインスピレーションを得たり、古くからのテクニックや作品に愛着を持つのはそのためです。皆が知っているようなエレメントとそうでないものが、結合された作品は、なじみ深い印象を与えると同時に不可解にも思えるものが多い印象をうけます。例えば、「High Tea Pot」。頭蓋骨に退廃的なイメージの毛皮、壊れやすい磁器と日常性のある機能、これらが美しい相乗効果を生み出しています。また同時に、ティーポットそれ自体がセンシュアルなオブジェにもなり得るものでもあります。

 

 

High Tea Pot

動物の頭蓋骨をモチーフにした、実にワイルドな、磁器製のティーポットです。ウォーターラットのファーが保温用として被せられています。

 

 

 

Blossoms(左)

生けられる植物と一体化するような、ナチュラルなフォルムのフラワーベースです。その形は、グラスチューブとセラミックから造られています。

 

Bathboat(右)

水の上に浮かべられて揺られたい、そんな想像をかき立てられるような、ボート型のバスタブです。