Philippe Starck

フィリップ・スタルク

 1966年から1968年まで、パリのカモンド装飾美術学校で学び、卒業後、ピエールカルダンのメゾンに入社。1972年まで、家具のアートディレクターを務めます。その当時の活躍がミッテラン大統領の目に留り、1982年、若干33歳で、エリゼ宮のプライベートスペースの内装を任されます。この一件で、一躍脚光を浴び、1984年には、パリのCAFE COSTESのインテリアをデザインすることになります。そこで使われたチェア「COSTES」は、世界的に販売され、フィリップ・スタルク自身の代表作としても挙げられる、名作椅子のひとつとなりました。

 

 1988年、N.Yの「ロイヤルトン」を皮切りに、同じくN.Y「パラマウント」、香港「ペニンシュラ」、マイアミ「デラノ」、L.A「モンドリアン」など、世界各国のデザインホテルの内装、家具デザインを手掛けます。1989年には、東京のアサヒビール本社の「フラムドール」を設計します。これがフィリップ・スタルクにとって建築設計第1号となります。また、1993年、ミケーレ・デ・ルッキらとともに行った、オランダ、グローニンゲン美術館の応用美術館は、「建物そのものが美術館のコレクション」と言われるほどの傑作として高い評価を受けます。

 

 現在の主なクライアントは、ドリアデ、フロス、カルテル、ヴィトラなど。傑出した制作能力、斬新なアイディアを活かした活動は、デザイン分野のほとんどを網羅しており、内装、家具のデザインのほか、アレッシィのテーブルウェアや、Thomsonの家電、Laguioeのナイフ、Hellerのトイレブラシなど、プロダクトデザインも多岐にわたって手掛けています。

 

 

Lago for Driade

丸みを帯びたシートと、スラリと伸びたシャープな脚とのバランスが美しいチェア。軽快な曲線を特徴とするデザインは、高度な樹脂成形技術から生み出されたものです。

 

 

 

 

Costes for Driade(左)

1982年パリのレ・アール地区にあった、伝統的なカフェCOSTESのためにデザインされた、スタルクの初期の代表作のシリーズ。3本脚は、ウェイターが配膳する際、足を引っ掛けてしまう事に配慮されたデザイン。安定感を考慮した4本脚タイプもあります。

 

Lola Mundo for Driade(右)

クラシックなアンティーク家具のディテールを取り入れ、ステンレス素材で、その優雅さを表現しています。

 

 

 

Victoria Ghost for Kartell

クラシカルな楕円形の背もたれと、幾何学的なシンプルさが、気品溢れる雰囲気を放つチェア。素材は、ポリカーボネートです。