Ron Arad

ロン・アラッド

 1971年から1973年まで、エルサレム芸術学校で学び、その後ロンドンへ移住。1974年から1979年、ロンドン建築協会で、ピーター・クック、ベルナール・チュミに指事。1981年、キャロリン・トールマンとともに、自身のデザインスタジオOne Offを設立します。1983年、同ショールームをオープンし、そこで発表した、ラバーのシートと鉄パイプで作った椅子「ラバーチェア」で、インテリア業界に華々しいデビューをかざりました。1989年には、デザイン・建築設計事務所Ron Arad Associates,Ltdを設立します。ヴィトラやPoltronavaなど、世界の一流家具メーカーにデザインを提供することになります。また、プロダクトだけではなく、テルアビフ・オペラハウス、ロンドンやミラノ、ベルリン、フランスのカフェやレストラン、ギャラリーなど、建築・インテリアも手掛けます。

 

  1944年、イタリア・コモにRon Arad Studioを設立、素材・技術・エンジニアリングの可能性を拡大した作品制作は、世界中に注目されます。1994年から1997年まで、ウィーンのホシュールの大学でプロダクトデザインの教授を務め、1997年には、ロンドンのデザインカレッジで教鞭をとります。そこでは、「ホームレスの生活を改善するためのデザインを考える」といった型破りな課題設定で、生徒達を驚かせました。

 

 近年のミラノサローネでは常に注目を集めており、特に、2000年、螺旋状の照明器具をはじめ、実験的な試みを行った作品が話題になりましrた。今日まで、ロン・アラッドのデザイン活動は常に、鉄板を切り、木製の脚を曲げ、曲げ合板に接合するといった、新しい彫刻的仕様を試みながら、彫刻家、職人として、情感に満ちた官能的な美しさと同時に、軽く実用性に富んだ家具を発表しています。

 

 

Ripple Chair for Moroso

ロン・アラッドにとって、そしてモローゾにとっても、アイコン的なチェアとなった作品。シンプルなフォルムと、蝶のような優雅な表情が印象的です。シートにある丸い穴、軽快なライン、丈夫な素材(ポリプロピレン)、そしてスタッキングが可能であるため、家庭用としてはもちろん、パブリックスペースでの使用にも適しています。

 

 

Bloo Void(左)

Paperwork Colleltionのひとつ。彼のロッキングチェアのプロトタイプとも言える作品です。

 

MT3 for Driade(右)

アームチェア、ソファ、ロッキングチェアからなるMTシリーズのひとつ。ローテーション・モールディングを用い、独特のフォルムを成形。内側と外側に色を施した後、サイドをくり抜いています。素材はポリエチレン。

 

 

 

Hotel Duomo in Rimini

アドリア海に面したリゾート地に建つホテル。ホテルの中心的存在にバー&クラブがあります。写真のステンレスの円形のレセプションも存在感抜群です。