Piet Hein Eek
ピート・へイン・イーク 

 

 

 

 1990年、アイントホーフェンのインダストリアルデザイン学校を卒業。1993年に、自信のデザイン会社を設立します。自然木や工場廃棄物などの廃材を使って、ピート・へイン・イークの美の感覚と機能性を融合させた、独特の作品を生み出しています。廃材の主なものには、解体した建築の壁材や、古い家や病院の建材、農業のフェンスなどがあります。彼の創作哲学、「逆転の発想」に基づいた、独特の素材選びから始まる創作は、卓越したデザイン力と技術力によって、美しさと実用性を備えた、極めて個性的な作品へと昇華させてしまいます。

 

 最新のテクノロジーを駆使した現代的な手法とは対照的なピート・へイン・イークの制作行程は、素材や手法からコンセプトを決め、多くの時間と手間をかけています。その結果、穏やかでありながら、力強いメッセージを持った作品が誕生します。2005年の作品、「CRISIS COLLECTION」は、「あえて、旧来のCNCルーター(木材をカットすることを主とするシンプルな機械)を使って何ができるか」という、限られた状況だからこそ生まれるデザインの本質を追求する彼の、代表的な作品です。シンプルな素材と技法だからこそ、ディテールへのこだわりが引き立ちます。安価な素材を使い、磨かれていない表面は傷つきやすいが、時間の経過によって、その表情は、ますます豊かさを増します。それが、ピート・へイン・イークの作品の最大の魅力と言えるでしょう。

 

 現在、家具デザインのほか、ニューヨーク近代美術館のインテリアやショップインテリア、キッチンインテリア、建築など、その活動は幅広いです。また、2005年のDesign Tide in Tokyoでのエキシビジョン、
2006年4月には、ミラノサローネにて個展を行うなど、その新しい手法には今、世界が注目しています。

 

 

Scrapwood series(左)

工場廃棄物やスクラップ木材を集めて、カット、塗装を施した家具シリーズです。すべてがひとつひとつ作られるため、配色、木材の種類などに違いがあるのも魅力です。このスクラップウッドシリーズで、ピート・へイン・イークの名が世界に知られるようになりました。

 

Scrapwood & Steel seres(右)

スクラップ木材を使ったスチール家具シリーズです。表情豊かな木材と、味わいあるスチールとの組み合わせが、独特の風合いを醸し出しています。

 

 

 

 

 

 

Aluminum Furniture series(左)

無機質な素材、アルミを使った家具シリーズです。無表情んあアルミも、彼の手に掛かれば、個性的な家具へと変身します。

 

LIGHT copper & aluminum(右)

銅、またはアルミだけで作られた、ごくシンプルなライトです。写真は銅タイプのライトです。

 

 

 

 



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